先輩からのメッセージ

夢を咲かせた先輩たち

サントリーフラワーズ
浅沼 佳南さん(5期生)
北海道大学大学院 農学研究科 修士課程修了

夢、かなう

  長聖を卒業したのはもう12年前になります。制服を着て毎日通っていたのはついこの前のようですが、月日が経つのは早いものです。
  高校1年生のときに抱いた夢は「世界初の青いバラを作る」こと。授業か何かでバラは青い色素を作る遺伝子を持っていないため、青バラは昔から不可能の象徴と聞いたことがきっかけでした。しかしその後すぐ日本のメーカーが青い色素をもつバラの開発に成功。世界初ではなくなってしまいましたが、青いバラを作るという夢は密かに持ち続け農学部へと進学しました。そしていま私は夢だった青いバラを生産・販売するサントリーフラワーズで日々働いています。あきらめずに頑張れたのは、それぞれの夢に向かい邁進する友人たちの姿に支えられ、また先生方が真摯に向き合い指導してくださったおかげです。
  長聖での6年間は非常に濃密な時間だったと思います。友人たちと切磋琢磨しながら、勉強だけでなく農業、芸術などの幅広い体験学習、また海外研修などの貴重な経験をたくさんすることができました。それによって視野が広がり、大きく成長できたと感じています。人生の夢を見つけ、その実現の支えとなったこの6年間は一生の宝物です。




熊本大学大学院 生命科学研究部 天然薬物学分野 助教
人羅 勇気さん(6期生)
東京大学大学院 農学生命科学研究科 博士課程修了

佐久長聖での学びと現在の仕事の関わり

  佐久長聖中学高等学校を卒業してから10年以上が経ち、現在は熊本大学で助教をしています。大学では、海洋生物や微生物などから新しい薬の開発の起点となる有用成分の発見を目指し、学生と共に日々研究に励んでいます。
  私が研究者という職業を意識し始めたのは中学生の頃でしたが、研究者になるにはどうしたらいいのかは全く分かりませんでした。そんな中、佐久長聖の先生に大学では様々な面白い研究が行われているという話を聞き、大学での研究に興味を持ち大学受験に対するモチベーションが上がりました。また、東大や京大など研究が盛んな大学に合格する先輩方の姿を間近で見て、研究者が憧れから目標へと変わりました。そして今、研究者として歩み始めることができました。
  研究者としてはまだまだ未熟な私ではありますが、研究生活を送るうえで大事だと思うことは、わからないことを理解するためにどうしたらよいか自ら考える力、そして新しいことを学ぶことに喜びを感じる知的好奇心だと思います。この学問に取り組む姿勢は一朝一夕では身につきませんが、佐久長聖で過ごした6年間の日々によって培われたと思います。将来の可能性を広げ、人としての成長を支えていただいた佐久長聖中学高等学校に感謝しています。




信濃毎日新聞記者
西川 大照さん(9期生)
筑波大学 社会国際学群社会学類 卒業

興味の「引き出し」増やせる場

  みなさんは新聞を読みますか? 政治や経済など、難しいことばかり書いてあるというイメージを持って、あまり気持ちが向かない人もいるかもしれません。
  ですが、新聞は世界で今何が起きているのか、どんなことが話題になっているのかを知ることができます。読んでいるうちに自分の知識や興味の「引き出し」を増やしてくれます。
  報道で重要なことは、埋もれているニュースを掘り起こすことです。特に社会問題などは、報道をきっかけに政治や行政が動き、社会が変わることもあります。
  埋もれていることを掘り起こすには、社会に対して自分なりの問題意識を持ち、いろいろな人と話し、興味や知識の引き出しを増やし続けることが必要になります。
  私の引き出しを増やしてくれたのが佐久長聖での6年間でした。政治や国際問題だけでなく、科学、医療、鉄道、サブカルチャーまで、さまざまな分野に詳しい仲間がいて、いつも自分の知らないことを教えてくれました。また、授業でも先生方は知識だけでなく、いろいろな雑学を教えてくれました。佐久長聖はまさに新聞のような空間でした。
  たくさんのことに興味を持つというのは、記者以外の仕事にとっても重要なことだと思います。みなさんも佐久長聖で「引き出し」を増やしてみませんか?




国立学校勤務
金子 仁乃さん(10期生)
国際基督教大学 教養学部 卒業

佐久長聖で得た私の宝物

  大学を2015年春に卒業し、あっという間に社会仁となりました。20代半ばとなった今振り返ってみると、佐久長聖で過ごした6年間が私の礎となっていることを実感するとともに、愛情を注いで下さった先生方、のびのびと学ばせてくれた家族に対して、感謝の気持ちが溢れます。
  親元を離れてスタートした学校生活は、慣れない寮生活やたくさんの課題、日々の忙しさに加え、多感な年頃であったことから、先生や両親に面倒をかけたこともありました。そんなときに周囲の人に支えられて、一生懸命努力した経験は、私の財産となっています。
  「学ぶことは、人格を陶冶することとイコールです」と、ある恩師は言いました。佐久長聖では、そこで経験することの全てが学びでした。勉学に励むことだけでなく、体験学習や海外研修で視野を広げること、家族と離れて暮らすこと、友人や先生と深く語り合うこと、そして、落ち着いた環境で自分自身と向き合うことも。“知識を得る”だけではない成長ができる、本当に恵まれた環境でした。
  入学したばかりの頃、担任の先生が私たち教え子のことを「長聖の宝」であると話してくださったことを覚えていますが、今では、そんな先生方や友人と充実した学校生活を経験できたことが、生涯を通じた私の宝です。




南牧村・野辺山へき地診療所 所長
座光寺 正裕さん(2期生)
九州大学 医学部医学科 卒業

長聖で得たもの

  長聖の門を叩いて20年がたちます。当時、授業が早口で「二倍速」とあだ名されていたK先生から、久々に聞き覚えのある早口で連絡をいただき、こうしてペンをとりました。電話口で「黒澤くんは電話した翌日には,書いてくれたよ」と、先生がいつしか三倍速に進化したことも知りました。
  中学3年間がむしゃらに学んだあと、はたと「何のための勉強か」と青臭く思い悩み、答えを探しにアジアを一年間旅して回りました。答えはなかなか見つかりませんでしたが、ひとつ確からしいとわかったのは、学ぶ機会すらない子どもが世界にはたくさんいることでした。
  自分の問いかけのナイーブさに赤面しながら一年ぶりに戻った長聖では、ひとつ下の学年で温かく迎えてもらい、教室で隣に座っていた女性がいまの伴侶です。

学生時代に不勉強だった人は、社会に出てからも、かならずむごいエゴイストだ。学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているものなんだ。 太宰治『正義と微笑』

  皆さんも佐久長聖の6年間で、一つかみの砂金を手に入れて下さい。そしてあわよくば、賢い奥さんも。




弁護士
宮下 和貴さん(3期生)
上智大学 法学部卒業 同大学院 修了

佐久長聖での6年間

  弁護士を志したのは中学1年生の時でした。普段から先方が科目の勉強だけでなく将来の進路や職業を意識した指導をして下さり、そのような中で、弁護士が社会的なトラブルを抱えた人々を助ける仕事であるということを知り、いつか自分も弁護士として人の役に立てたらと思うようになりました。また、多くの生徒が医学部を目指す中で、自分も何か難関にチャレンジしてみようという気持ちが芽生え、あまのじゃくな性格も影響して司法試験を受けることを決意しました。司法試験は大変でしたが、佐久長聖で自然と勉強する習慣を身に付けられたおかげで合格することができたと思いますし,その習慣は今でも自分を支えてくれています。
  中高6年間の学校生活、館(寮)生活を通して一生の友人もできました。現在でも定期的に集まっており、医師の友人からは医療過誤訴訟についてのアドバイスをもらうなど、仕事の上でも助けてもらっています。
  熱心に指導してくださる先生方や切磋琢磨する仲間に囲まれて自然と勉強習慣を身に付けられることと、一生の友人を得られることが、佐久長聖において中高生活を送る利点、強みであると思います。このような環境に置いてくれた両親に感謝したいと思います。




外資系コンサルティング会社勤務
渡邉(住田) 美樹さん(5期生)
東京大学 法学部 卒業

贅沢な環境だったと思います

  2009年に東京大学法学部を卒業し、日本銀行に入行しました。ロンドンでの留学を終えた4年目に、外務省に勤務する配偶者のアフリカ転勤が決まり、日銀を退職して2年間コートジボワールで専業主婦として暮らしました。2015年春からは外資系コンサルティング会社に再就職し、企業経営者の方々の悩みや課題に対して、世界中の同僚から共有してもらった知見を元に、解決策を提案したり、その実行をサポートしています。
  長聖の寮生活で身に付けた規則正しい生活スタイルや、先生方が教科書の内容を超えて教えて下さった「学ぶこと」「考えること」の面白さ、6年間を通じて培った英語力は、社会に出てから、またアフリカで暮らした際にも、私の強力な支えとなりました。
  自然に囲まれ、先生方の目が生徒一人ひとりに行き届く環境で、日夜集中して勉強や課外活動に取り組めたこと、進路選択や、與味を持った事柄に対して、先生や友人と自由に相談・議論できる雰囲気があったこと。いまになればとても贅沢な環境だったと思います。共に学んだ仲間たちとは、卒業後も機会を見つけては集まっています。様々な業界で活躍している同窓生の話を聞いては、毎回刺激を受けています。




佐久総合病院グループ 初期臨床研修医
黒澤 紀雄さん(7期生)
京都大学 農学部 資源生物科学科 卒業
金沢大学 医学部 医薬保健学域 医学科編入・卒業

佐久長聖に感謝を

  平成19年度卒業生の黒澤紀雄です。現在、佐久医療セン夕一・佐久総合病院で医師として日夜勤務しています。僕は立科町出身で、6年間佐久長聖で寮生活を送っていました。年端もいかない頃に親元を離れ、心細いなか聖朋館での寮生活を始めたことを思い出します。
  学生時代の厳しい集団生活での規則や同期生・先輩・後輩との人間関係は、今思うと社会生活の縮図であるように思います。朝の挨拶、公共の場でのマナ一、決められた時間のなかで勉強に、部活に、遊びに励む時間とそれぞれにけじめのある生活を送ることを覚えることで、学校という世界から社会へ飛び出した後も、気持ちよく人と接し、他人や自分の時間を尊重して過ごすことができていると感じます。
  卒業して10年が経ち、中学・高校と密な6年間を過ごした同期生は、教育関係、医療関係、企業、弁護士や公務員などいろいろな進路を辿っているようです。それぞれに決して簡単な道ではなかったと思いますが、彼等と時に叱られ、励まし合い、泣き笑いした時間を共有できる場所・時間があったからこそ我々の現在があり、今もなお交流できる得難い仲間を得られたこと、それらを提供してくれた先生方のいる佐久長聖に感謝しています。