先輩からのメッセージ

夢を咲かせた先輩たち

南牧村・野辺山へき地診療所 所長
座光寺 正裕さん(2期生)
九州大学 医学部医学科卒業

長聖で得たもの

  長聖の門を叩いて20年がたちます。当時、授業が早口で「二倍速」とあだ名されていたK先生から、久々に聞き覚えのある早口で連絡をいただき、こうしてペンをとりました。電話口で「黒澤くんは電話した翌日には,書いてくれたよ」と、先生がいつしか三倍速に進化したことも知りました。
  中学3年間がむしゃらに学んだあと、はたと「何のための勉強か」と青臭く思い悩み、答えを探しにアジアを一年間旅して回りました。答えはなかなか見つかりませんでしたが、ひとつ確からしいとわかったのは、学ぶ機会すらない子どもが世界にはたくさんいることでした。
  自分の問いかけのナイーブさに赤面しながら一年ぶりに戻った長聖では、ひとつ下の学年で温かく迎えてもらい、教室で隣に座っていた女性がいまの伴侶です。

学生時代に不勉強だった人は、社会に出てからも、かならずむごいエゴイストだ。学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているものなんだ。 太宰治『正義と微笑』

  皆さんも佐久長聖の6年間で、一つかみの砂金を手に入れて下さい。そしてあわよくば、賢い奥さんも。




弁護士
宮下 和貴さん(3期生)
上智大学 法学部卒業 同大学院修了

佐久長聖での6年間

  弁護士を志したのは中学1年生の時でした。普段から先方が科目の勉強だけでなく将来の進路や職業を意識した指導をして下さり、そのような中で、弁護士が社会的なトラブルを抱えた人々を助ける仕事であるということを知り、いつか自分も弁護士として人の役に立てたらと思うようになりました。また、多くの生徒が医学部を目指す中で、自分も何か難関にチャレンジしてみようという気持ちが芽生え、あまのじゃくな性格も影響して司法試験を受けることを決意しました。司法試験は大変でしたが、佐久長聖で自然と勉強する習慣を身に付けられたおかげで合格することができたと思いますし,その習慣は今でも自分を支えてくれています。
  中高6年間の学校生活、館(寮)生活を通して一生の友人もできました。現在でも定期的に集まっており、医師の友人からは医療過誤訴訟についてのアドバイスをもらうなど、仕事の上でも助けてもらっています。
  熱心に指導してくださる先生方や切磋琢磨する仲間に囲まれて自然と勉強習慣を身に付けられることと、一生の友人を得られることが、佐久長聖において中高生活を送る利点、強みであると思います。このような環境に置いてくれた両親に感謝したいと思います。




外資系コンサルティング会社勤務
渡邉(住田) 美樹さん(5期生)
東京大学 法学部卒業

贅沢な環境だったと思います

  2009年に東京大学法学部を卒業し、日本銀行に入行しました。ロンドンでの留学を終えた4年目に、外務省に勤務する配偶者のアフリカ転勤が決まり、日銀を退職して2年間コートジボワールで専業主婦として暮らしました。2015年春からは外資系コンサルティング会社に再就職し、企業経営者の方々の悩みや課題に対して、世界中の同僚から共有してもらった知見を元に、解決策を提案したり、その実行をサポートしています。
  長聖の寮生活で身に付けた規則正しい生活スタイルや、先生方が教科書の内容を超えて教えて下さった「学ぶこと」「考えること」の面白さ、6年間を通じて培った英語力は、社会に出てから、またアフリカで暮らした際にも、私の強力な支えとなりました。
  自然に囲まれ、先生方の目が生徒一人ひとりに行き届く環境で、日夜集中して勉強や課外活動に取り組めたこと、進路選択や、與味を持った事柄に対して、先生や友人と自由に相談・議論できる雰囲気があったこと。いまになればとても贅沢な環境だったと思います。共に学んだ仲間たちとは、卒業後も機会を見つけては集まっています。様々な業界で活躍している同窓生の話を聞いては、毎回刺激を受けています。




佐久総合病院グループ 初期臨床研修医
黒澤 紀雄さん(7期生)
京都大学 農学部 資源生物科学科卒業
金沢大学 医学部 医薬保健学域 医学科編入・卒業

佐久長聖に感謝を

  平成19年度卒業生の黒澤紀雄です。現在、佐久医療セン夕一・佐久総合病院で医師として日夜勤務しています。僕は立科町出身で、6年間佐久長聖で寮生活を送っていました。年端もいかない頃に親元を離れ、心細いなか聖朋館での寮生活を始めたことを思い出します。
  学生時代の厳しい集団生活での規則や同期生・先輩・後輩との人間関係は、今思うと社会生活の縮図であるように思います。朝の挨拶、公共の場でのマナ一、決められた時間のなかで勉強に、部活に、遊びに励む時間とそれぞれにけじめのある生活を送ることを覚えることで、学校という世界から社会へ飛び出した後も、気持ちよく人と接し、他人や自分の時間を尊重して過ごすことができていると感じます。
  卒業して10年が経ち、中学・高校と密な6年間を過ごした同期生は、教育関係、医療関係、企業、弁護士や公務員などいろいろな進路を辿っているようです。それぞれに決して簡単な道ではなかったと思いますが、彼等と時に叱られ、励まし合い、泣き笑いした時間を共有できる場所・時間があったからこそ我々の現在があり、今もなお交流できる得難い仲間を得られたこと、それらを提供してくれた先生方のいる佐久長聖に感謝しています。